乾燥・焼却の豆知識

「てん菜(てんさい)の乾燥」について

てん菜(てんさい)とは、主に砂糖の原料として使われる根菜で、別名「ビート(シュガービート)」「砂糖大根」と呼ばれ、大根やカブではなくホウレンソウなどと同じヒユ科フダンソウ属に属する植物ですのことです。

 

てん菜(てんさい)はサトウキビが育たない涼しい地域(特に北海道や北欧・北米)で栽培されています。てん菜(てんさい)は日本ではほぼ北海道でのみ栽培され、砂糖自給率約40%の内、てん菜由来が約80%を占めています。

 

てん菜(てんさい)の収穫周期は、春に種まきまたは育苗を行い、秋に収穫し、砂糖精製は冬か翌年の春まで行われます 。

 

てん菜(てんさい)の根部は12〜21%のショ糖を含み、砂糖大根と呼ばれる所以です。テンサイ糖はまろやかな甘みが特徴で、含蜜糖(ミネラル残留)と分蜜糖(ショ糖結晶のみ)の両方のタイプがあります。

 

健康面では、てん菜(てんさい)は天然のオリゴ糖を含んでおり、腸内環境改善など優しい甘味として評価されまています。また、てん菜(てんさい)の葉や搾りかすは牛など家畜の飼料(ビートパルプ)に再利用されています。

 

てん菜(てんさい)の糖蜜(モラセス)からは食品添加物(ラフィノース、ベタイン)や微細藻類の原料、バイオ燃料研究にも用いられています

 

世界の砂糖生産において、てん菜はサトウキビに次ぐ主要原料で、全生産量の約20〜35%を占めます。ヨーロッパでは一般的にビート由来砂糖が主流で、日本においてもお菓子や飲料などに広く使われています 。

 

てん菜(てんさい)の再生可能エネルギーとしての活用例としては、下記のものがあります。

 

■活用例1
バイオエタノール
糖を発酵させてエタノール燃料にすることができます。サトウキビ同様に使えますが、コストと効率面で課題があるとされています。

 

■活用例2
バイオガス
搾りかすや糖蜜をメタン発酵させて発電させることができます。

 

■活用例3
固形燃料
乾燥させた搾りかすをペレット化してボイラー燃料にすることができます。

 

てん菜(てんさい)の再生可能エネルギーとしてのアドバンテージとしては、下記が挙げられます。
■年間作付けできる再生可能な植物資源であること
■砂糖の生産と同時に副産物も活用できる循環型利用
■糖分が多く、発酵に適している

 

てん菜(てんさい)の再生可能エネルギーとしての課題としては、下記が挙げられます。
■日本では既存のエネルギー価格と比べて経済性が低い
■発酵や生成に必要なインフラ・コストが高い
■他の用途(砂糖・飼料)との競合

 

今後の技術革新や支援策によって、てん菜(てんさい)の再生可能エネルギーとしての可能性が広がるとも言えます。

 

てん菜(てんさい)の乾燥処理をお考えの企業様は、是非、お気軽にご相談くださいませ。

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