アオミドロとは、淡水に生息する糸状の緑藻(りょくそう)の一種です。池や川、水槽などの水面や水中に、糸くず状・ネバネバした緑の塊として現れることが多く、藻(も)の代表的な存在のひとつです。

 

＜アオミドロの特徴＞
■形態は細長い糸状で、1本が多くの細胞の連なりからできています。
■らせん状（スパイラル状）に配置されているのが最大の特徴です。
■生息環境は、日当たりのよい淡水（池、沼、小川、水槽など）に発生しやすく、水質が栄養豊富(富栄養化)な場所で特に増えます。

 

＜アオミドロの用途＞
■バイオエネルギーの原料候補
アオミドロは植物と同じく光合成を行い、炭水化物を多く含む藻類です。そのため、バイオエタノールやバイオガスの原料としての利用が研究されています。同様の藻類（クロレラ、スピルリナ）と比較して油脂分は少ないですが、成長が早く、水環境で大量に増やせる点がメリットです。

 

■肥料・堆肥化
乾燥後に分解して堆肥に混ぜると、有機肥料として利用可能です(ただし臭気や分解速度に注意)。

 

■水辺生態系の指標生物
アオミドロの繁殖は水質の栄養過多を示すため、水質管理の指標として利用されています。

 

■アート・デザイン素材
一部の研究者やアーティストが標本やオブジェに利用されています。

 

＜アオミドロのバイオマス燃料としての可能性＞
■高炭水化物・低脂質タイプの藻類であり、バイオディーゼル(脂肪酸系)よりも、バイオエタノールやバイオガス生成向きです。

 

＜アオミドロの主な変換方法(エネルギー化技術)＞
■バイオエタノール化
乾燥したアオミドロを加水分解 → 発酵 → 蒸留する工程でエタノールを生成し、多糖類（デンプン・セルロース）を糖化して酵母で発酵させます。

 

■メタン発酵(バイオガス化)
アオミドロを嫌気性微生物により発酵させることでメタンガスを生成させます。廃水処理場や養殖池などからのアオミドロ残渣の再利用として実験例があります。

 

■熱分解・ガス化
高温で酸素を制限して加熱します。含水率が高いので、事前乾燥エネルギーコストが課題です。実用化は現時点では限定的です。

 

＜アオミドロのバイオマス燃料としての利点と潜在性＞
「排水中で育て、水質浄化＋燃料化」という二重目的の循環型バイオマス素材として注目されています。

 

＜アオミドロのバイオマス燃料としての課題・限界点＞
■含水率が高く乾燥コストが高い
■脂質含有量が低く、バイオディーゼル原料には不向き
■回収・輸送コストが高く、商業化が難しい

 

アオミドロは、問題点・課題があるとはいえ、サステナブルなエネルギー原料としての可能性があります。

 

今後の技術革新や支援策によって、アオミドロの再生可能エネルギーとしての可能性が広がるとも言えます。

 

アオミドロの乾燥処理をお考えの企業様は、是非、お気軽にご相談くださいませ。