乾燥・焼却の豆知識

「キャッサバの乾燥」について

キャッサバとはトウダイグサ科のイモ類の一種で、主に熱帯地域(南米、アフリカ、東南アジアなど)で栽培されている作物です。キャッサバは「タピオカ」の原料で、日本では主に「タピオカ」として知られています。タピオカミルクティーのもちもちした粒の原料がキャッサバです。

 

日本ではキャッサバ自体はあまり栽培されていませんが、加工品(タピオカ粉や冷凍根)として輸入されています。

 

キャッサバは、根にデンプンが豊富で、主に食用として利用されます。葉も食用にされることがあり、タンパク質やビタミンが含まれています。乾燥や痩せた土地でも育ちやすく、飢饉対策作物としても有名です。

 

キャッサバの主な用途は下記になります。

 

■食品(根)
タピオカの原料、粉にしてパンや団子に

 

■食品(葉)
煮て野菜として食べる(アフリカなど)

 

■工業用途
バイオエタノール、デンプン加工製品など

 

キャッサバの注意点としては、キャッサバの生の根や葉にはシアン化合物(青酸配糖体)が含まれるため、加熱や発酵などの処理が必要です。特に「苦味種(ビターキャッサバ)」は処理しないと中毒の危険があります。

 

また、キャッサバは、再生可能エネルギーの原料としても非常に有望な作物です。特にバイオエタノール(バイオ燃料)の生産に適しており、食料以外のエネルギー源として注目されています。

 

キャッサバの再生可能エネルギーとしての可能性としては、バイオエタノールの原料としての活用法補があり、キャッサバの根にはデンプンが豊富(30〜40%程度)に含まれているため、これを糖化・発酵させることでエタノールが生成されます。サトウキビやトウモロコシよりも痩せた土地で育つため、エネルギー作物としてのポテンシャルが高いという特徴があります。

 

キャッサバの再生可能エネルギーとしてのメリットは下記のようなものがあります。

 

■土壌適応力
やせた土地や乾燥地でも育つため、農地の競合が起きにくい

 

■省水性
水の使用量が比較的少なくて済む

 

■収穫後すぐ加工可能
生産地近くにエタノール工場を置けば、輸送コストが減る

 

■発電用にも活用
搾りかすや皮などをバイオマス燃料や堆肥に活用可能

 

キャッサバの再生可能エネルギーとしての実際の導入事例は下記が挙げられます。

 

■タイ

世界最大のキャッサバ産地の一つ。エネルギー政策の一環として、キャッサバ由来エタノールを混合したガソリン(E10、E20など)が普及しています。

 

■ナイジェリア、ブラジル

農村部でのエネルギー自給率向上のために導入。農業・雇用支援にも寄与しています。

 

キャッサバの再生可能エネルギーとしての課題・注意点は下記が挙げられます。

 

■設備投資の問題
エタノール製造プラントの建設に初期投資が必要

 

■食料との競合の問題
食用と燃料用で用途が重なるため、需給バランス管理が必要

 

■輸送・流通の問題
エネルギーとして利用するには安定供給体制の構築が不可欠

 

キャッサバの再生可能エネルギーとしての今後の展望としては、カーボンニュートラルを目指す各国が、化石燃料からの代替としてキャッサバに注目しています。特に開発途上国や新興国において、「食料・エネルギー・雇用」の3つを同時に支えるローカル資源として期待されています。

 

キャッサバは、サステナブルなエネルギー原料としての可能性が高く、特にバイオエタノールの分野で注目されており、地域経済や環境保全にも貢献できる作物です。

 

今後の技術革新や支援策によって、キャッサバの再生可能エネルギーとしての可能性が広がるとも言えます。

 

キャッサバの乾燥処理をお考えの企業様は、是非、お気軽にご相談くださいませ。

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