乾燥・焼却の豆知識

「アルファルファの乾燥」について

アルファルファとは、マメ科の多年草植物で、日本語では「ムラサキウマゴヤシ(紫馬肥やし)」と呼ばれることもある植物です。

 

<アルファルファの特徴>
■根に共生する根粒菌が空気中の窒素を固定し、土壌改良効果がある。
■比較的乾燥に強く、やせた土地でも育つ。
■年に3~8回の刈り取りが可能で、生産性が高い。
■粗タンパク質含有率18~22%とタンパク質含有率が高水準。

 

<アルファルファの用途>
■牧草(飼料)として使用
牛(特に乳牛)、馬、羊などの飼料として利用されています。タンパク質、ミネラル、ビタミンが豊富で、動物の健康や乳量増加に貢献します。乾燥させて「アルファルファヘイ(干し草)」として輸出入されています。
■人間の健康食品として
若芽(スプラウト)を「アルファルファスプラウト」としてサラダなどに利用されています。食物繊維、ビタミンK・C・B群、カルシウムなどが豊富で、デトックス・美容・ダイエット目的で人気です。

 

アルファルファは、日本では国産よりもアメリカ・カナダ・オーストラリアなどからの輸入が主流です。北海道などで一部栽培されていますが、自給率は低い状態です。畜産農家の重要な輸入飼料であり、国際情勢(干ばつ・輸送費)に影響されやすいです。

 

アルファルファは「栄養価が高く、家畜用にも人間用にも使われる万能牧草」で、環境にもやさしい、サステナブルな植物です。

 

アルファルファは主に飼料作物として知られていますが、近年では「バイオマス燃料の原料」としての研究・利用も進められています。ただし、その可能性は限定的で、以下のような利点と課題があります。

 

<アルファルファのバイオマス燃料としての可能性>
■バイオマス生産量が高い。年3〜8回収穫できるため、単位面積あたりのバイオマス量が大きい。
■温暖・乾燥地域でも育ちます。環境耐性があり、マージナルランド(周辺不良地)でも栽培可能です。
■セルロース含有量が高く、リグニン・セルロースが豊富で、バイオエタノールやメタンガス生成に適応可能です。
■窒素固定植物であり、環境面の持続性が高い。バイオマスとしての再生能力も高い。

 

<アルファルファの問題点・課題>
■飼料としての需要が圧倒的に高く、現在は畜産用の高級飼料として広く流通しており、エネルギー用に回すインセンティブが少ない。
■転換プロセスの効率性が低く、セルロースからバイオエタノールやメタンを生成するには、前処理・酵素処理などのコストが高い。
■収穫と乾燥に手間がかかる。バイオ燃料用に加工するには、乾燥→粉砕→発酵などの工程が必要で、省力化しにくい。
■物流コストが高くなりがち。生草は水分が多く、輸送効率が低い。エネルギー効率も低下。

 

<現在の研究・応用例>
■アメリカ・カナダでは、アルファルファからのバイオエタノール抽出実験が実施されています(特に残渣活用に注目)。
■アルファルファの残渣を使ったメタン発酵(バイオガス化)研究が進行中です。
■乾燥させたアルファルファを固形燃料(ペレット)として使用する試みも一部で行われています。

 

<アルファルファのバイオマス燃料としての最適な利用法>
アルファルファのバイオマス燃料としての最適な利用法は、家畜飼料として使った後の「残渣」や「収穫ロス」を活用する副産物戦略が現実的です。

 

アルファルファは、問題点・課題があるとはいえ、サステナブルなエネルギー原料としての可能性があります。

 

今後の技術革新や支援策によって、アルファルファの再生可能エネルギーとしての可能性が広がるとも言えます。

 

アルファルファの乾燥処理をお考えの企業様は、是非、お気軽にご相談くださいませ。

「アルファルファの乾燥」に関連する当社の製品

乾燥・焼却の豆知識